休息も束の間

何か小鳥のさえずりがする・・・さえずり・・・?

「あ、そっか。秘密の部屋拠点に来てたんだっけ。今は・・・6:00か。」

もぞもぞと起きると腕が何かに当たる。

「起こしてって頼まれた側がまだ寝てるってどうなのよ、起きろ!聖一!」
「・・・だがしかし断る。」
「よし、起きたね。」
「もう少しゆっくりするという発想はないのか?」
「温泉でも入ったほうが疲労回復には効果的よ。ね?」
「「ね?」ってあのな、なんで一緒に入るのが前提なんだ。」
「あの卵の解析、さっさとやらないとね。」
「あ〜、はいはい。」

さっさとお互い着替える。
原作通りなら水中人の声がするはずなので確認には卵と自分の耳の双方を水につけるのが手っ取り早い。

えっ?裸で混浴?なわけないでしょ。お風呂の中で着る用の浴衣を着てます。

一足先に、お湯につかる。やっぱりこういう時は、温泉はいいよね。

「おい、ゴーグル忘れてるぞ。」
「あ、ごめんごめん。ありがとう。」
「じゃあ、さっそく。」

一緒にゴーグルをした状態でお湯にに潜る。水中で卵を開くと・・・。

「良かった、同じ歌ね。」
「しかし原作と同じ難易度とは限らないぞ。」
「まあまあ、いいじゃない。」

ゴーグルを外しながら言う。

「それはそうと凛、2つ疑問があるな。1つ目はなぜドラゴンが眠ったか。」
「きっと私の演奏が気に入って・・・」
「アホ、んなわけあるか。俺はお前が放った魔法の幾つかが干渉したんだと踏んでる。どう思う?」
「魔法の干渉もそうかもしれないけど忘れてない?私たちが呪文を声に出すのは、1つは魔法式のイメージを鮮明に呼び出しやすくなるからだけど、もう1つの理由はその声そのものに魔法式の最適化効果があるから。つまり、ピアノ演奏がなんらかの干渉をした線も、なきにしもあらずでしょ?」
「ふむ・・・。まあ干渉によるものと仮定すると、メインは有希が放った認識障害魔法だろうが、どう干渉したら眠ったのか疑問だな。」
「今度実験してみましょうよ。ところでもう1つは?」
「より深刻な話だ。カルロフ校長の採点、ハリーとアリスは4点にもかかわらず凛、お前には7点だ。」
「ロンはこれ以上贔屓してもクラムが1位になれないからだと言っていたけど。」
「それだと・・・」
「「まだ第一試合だという事に対する説明になってない」」
「ということだ。ってなんでハモった?」
「そっちこそ。これは調べないといけないけど、彼にどういう得があるのかな?そこが読めない。」
「とりあえず、ありえなさそうな所からいくか。例えば、凛の裏の評判を聞きつけて身を隠す事態になった時、協力を要請したいから、とか。」
「前世ならともかく、まだ私の情報網は大したことないのに、なんでそんなに裏で評判になるのよ。ところでそもそも、この得点はカルロフの自らの意思によるものなのか何者かに強要されたのか、どっちだろう?」
「あと、近視眼的に見た時にそれは自分のためか、誰か他の人の為か、という話もあるな。」
「case1、炎のゴブレットに追加で3校も多く対象校を認識させるほどの術師が、カルロフを服従あるいは錯乱させている。」
「その場合はその犯人Xの目的が読めないな。凛を優勝させようとしてる事になるけど。」
「原作ではムディーに変身したバーチ・クラウチ・ジュニアがハリーを、2次原作では加えてアリスをヴォルデモート復活の場に優勝杯を触らせることで連れて行くことだったのよね。けど1人2人ならともかく、3人も優勝杯で連れて行こうとするかな?」
「念のために言っておくが、2次原作でも結果的に3人運んでるぞ。」
「それは偶然じゃない。ということは、・・・。」
「優勝させることで何かによって連れて行こうとしている。」
「まあ・・・情報不足の中での推理なんてものほど当てにならないものもないんだから、お互い調べよう。ね?」
「だな。ところでそんなに長くお湯につかってて、のぼせないのか?」
「そっちこそ。」

のぼせかかってたので、さっさと上がる。水分補給の後体を洗い、秘密の部屋の拠点に戻る。もう7:30だ。お腹すいた。