眠れぬ夜の救世主
「全員、よくやった!」
フラーとセドリックと話してしていると、バグマン氏が弾むような足取りで天幕へと入ってきた。
「さて、では手短に話してしまおうか。
第二の課題まで君達には十分な休みが与えられる。第二の課題が行われるのは二月二十四日の午前九時半だ。
そして、その第二の課題の内容だが、君達が獲得した金の卵がヒントとなる。
よく見てもらうと蝶番があって開くようになっているのがわかると思う。その中にあるヒントを解き明かすんだ。
それにもとずいて、第二の課題が何であるか、必要な準備は何かを考えること! 卵はなくさないように注意すること!
それから、今回の競技の録画がこの後食堂で放映されるので観たい者は見る事!
何か質問はあるかな? 大丈夫か? では、解散!」
やっと終わった。
外に出ると聖一がいた。
「終わったか、凛。今日はお疲れ。無事課題をクリアできて何よりで。」
「本当につかれたよー、なのにサンクは声かけてくれなかったし、かといって寝られないし。」
「二人きりの時は聖一、だろ?」
「あ、うん。」
と言いながら抱きついたら、なでなでしてくれた。
なでなでされてたら眠く・・・なってきた。
食堂に向かおうとすると、アリスとジニー、パドマ、アンソニーがいた。
「相変わらず、お熱いわね。」
「み、見てたの?」
「うん。」
「気がつかなかった・・・」
「あれ?てっきり気がついてると思ったから俺もキスはしなかったのに。違ったのか。」
「疲れてるのよ!」
「リンの照れ隠しかわいい!」
なんか抱きつかれた。
食堂に向かう途中、ハリーがリータ・スキーターに絡まれているのを見かけたが、気にすることでもないと思い見なかったことにした。
・・・待てよ、この後リプレイを見るということは、まだ寝られないの?私。
アリスと一緒に食堂でリプレイをみて、同時に食事をして、となんだかんだしていたらもう夜10:00だった。
いい加減寝たいしそろそろ寮に戻ろうか、と思い歩きだしたところで聖一と再会した。
「凛、今寮に行かないほうがいいぞ。」
「どうして?私、眠いからいい加減寝たい。」
「ハリーを中心にどんちゃん騒ぎ。」
「ああ、なるほど。うーん、どうしよう・・・」
「それでな、俺に考えがあるんだ。」
何だろうと思い、ボケボケとついていった先は・・・。
「ああ、そうか。秘密の部屋の拠点なら静かか。」
「本当に疲れてるのな。」
「うん。じゃあ寝るから適当に起こして。」
もう限界!そこでぷっつり意識が途絶えた。
「うん。じゃあ寝るから適当に起こして。」 「えっ、いや、着替えろ・・・ってもう寝てるし・・・。」
どうすんだよ、とかぶつぶついいながら手際よく服を着替えさせる。どーせシワになったら怒り出すんだ、いい加減その位は学習する。
すぅ・・・。
やっぱり寝顔が1番かわいい、そんな気がする。
まだ魔力消費を減らす研究は始めたばかりだし、あれだけ魔法を使えばそりゃ疲れるよなー
そんな風に寝顔を見ていたら、いつの間にか寝てしまっていた。