千葉警部との接触

もちろん横浜まで情報収集しながら進むわけだが、同時に千葉警部と連絡を取っていた。

無事に新橋の喫茶店で落ち合った。

「お久しぶり、なのかな?千葉警部?」
「お久しぶりです、リン先生。」
「さて、時間も無いことだし単刀直入に。明日・・・ではなくてもう今日ね、横浜の件、どこまで掴んでいる?」
「先ほど国防軍の藤林響子さんからお誘いを受けしたよ、知り合いの男の子が論文コンペティションに出る、と。」
「あら響子さんが。それで?」
「早い話が何か起こるかもしれないから武装して何時でも対処できるように、と。」
「そう、その程度ね。分かったわ、追加で情報提供しましよう。横浜に大亜連合の工作船が来て、すでに進入しているゲリラと呼応して横浜に侵攻、目標は魔法協会のデータバンクと人質を取ること、将来の戦力低下を狙った論文コンペの襲撃のようです。まあ他にもあるようですが。」
「ずいぶん事態が大きいですね、響子さんの警告を受けてそこそこの規模で動くつもりではいましたが。」
「そこそこ、では不十分でしょうね。これでもかなり事態を矮小化してお伝えしているのですから。私自身も内閣府直属魔法師部隊予備隊を借りて動くつもりですし、ゲリラの炙り出しに四葉が動いています。また会場警備にあたる生徒の警備隊のメンバーの十文字克人、一条将輝には師族会議経由で警告がまもなく四葉から発せられるようです。」
「四葉が・・・、しかしなぜ四葉が?」
「私がお願いしてきました。」
「はぁ、流石はリン先生と言えばいいのか・・・。」
「なんか褒められてる気がしないわね、それでどの程度の規模で動けそうですか?」
「そうですね、全国の魔法犯罪対策課からそれぞれ3人派出してもらう程度でしょうか。」
「魔法協会のデータバンクは横浜以外にももう1箇所あります。そちらが疎かにならない程度でお願いしますね。」
「それは!・・・つまり。」
「これからそうならないように、交通封鎖の準備に動こうと思っているのですが封鎖を抜けられると厄介ですからね。」
「交通封鎖なら警察の仕事、私が掛け合いましょうか?」
「それにはおよびませんわ。警察の知り合いがあなただけ、という訳でもありませんし。それに、先ほど全国から人を呼ぶとおっしゃっていましたが、そのためには1分1秒も無駄にできないのでは?適材適所という言葉もあります。根回しは、あまりお得意ではないでしょう?」
「わかりました。・・・それでは、リン先生、お気をつけて。」
「ええ、もちろん。あ、そうそう。国防軍の新装備テストの集合が無事に、もう今日ですね、午前中に変更出来たようです。今連絡が入りました。少しはやりやすくなるかと。」
「ありがとうございます。」
「いえいえ、どういたしまして。」

さっさと会計を済ませて車に乗り込む。